心理学用語

イケア効果とは、自分で作った物に、それ自体の価値よりも高い価値を感じる心理的現象です。この現象は、ハーバード大学のマイケル・ノートン教授らによって2011年に発表され、イケアで販売されている家具の組み立てを例に説明されました。

ノートン教授らは、被験者を2グループに分け、グループ1には自分でイケアの家具を組み立てさせ、グループ2には組み立て済みの家具を渡しました。その後、被験者に対して家具の価値を尋ねたところ、グループ1の被験者はグループ2の被験者よりも、自分の組み立てた家具の価値を高く評価する傾向がみられました。

この結果から、ノートン教授らは、自分で何かを成し遂げたときには、達成感や自己効力感などのポジティブな感情が生まれ、それが物に対する価値の評価に影響を与えると説明しました。また、自分で家具を組み立てることは、自分の手で自分の好みに合わせて家具をカスタマイズできることにもつながり、これも物に対する愛着を高める要因となっていると考えられます。

イケア効果は、マーケティングにおいても活用されています。例えば、イケアでは、家具を自分で組み立ててもらうことで、顧客に達成感や自己効力感を与え、物に対する愛着を高めています。また、自分で家具を組み立てることで、顧客は自分の好みに合わせて家具をカスタマイズすることができ、これも顧客満足度を高める要因となっています。

イケア効果は、私たちの日常生活においても無意識のうちに影響を与えています。例えば、私たちは、自分で作った料理や自分で育てた植物を、それ自体の価値よりも高い価値で評価する傾向があります。これは、イケア効果が、私たちの物に対する価値の評価に影響を与えているためです。

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