フォールス・コンセンサス
心理学における「フォールス・コンセンサス」とは?
フォールス・コンセンサス(false consensus effect)は、心理学における認知バイアスの一種で、自分の意見や考え、行動は常に多数派でありかつ正常であると思い込む心理現象を指します。日本語では「偽りの合意」とも呼ばれます。
1970年代にアメリカの社会心理学者であるリー・ロスによって提唱されました。ロスは、人は自分の意見や考え、行動が周囲の人と一致していると考えやすく、実際にはそうでない場合でも、自分の意見や考え、行動が多数派であると思い込む傾向があることを発見しました。
フォールス・コンセンサスの原因は、完全には解明されていませんが、以下のような説が考えられています。
認知的合理化:人は、自分の意見や考え、行動を正当化しようとします。そのため、自分の意見や考え、行動が多数派であると思い込むことで、自分の意見や考え、行動を正当化しようとするのです。
社会的比較:人は、自分を周囲の人と比較しようとします。そのため、自分の意見や考え、行動が周囲の人と一致していると思い込むことで、自分の意見や考え、行動が正しいであると確認しようとするのです。
フォールス・コンセンサスは、以下のような様々な場面で生じます。
政治:自分が支持する政治家や政策が多数派であると思い込む
宗教:自分が信仰する宗教が多数派であると思い込む
消費:自分が買った商品やサービスが多数の人に人気があると思い込む
ファッション:自分が着ている服や髪型が多数の人に好かれていると思い込む
フォールス・コンセンサスは、自分の意見や考え、行動を客観的に評価することを難しくします。そのため、自分と異なる意見や考え、行動を理解し、尊重することも難しくなります。
フォールス・コンセンサスについてもっと知りたい方は、以下の参考URLを参照してみてください。
参考URL
【第12回】お客さまの背中をそっと押す「フォールス・コンセンサス」|ビジネスで使える心理学/菊原智明|人と仕事研究所 https://apj.aidem.co.jp/column/201/
その他
フォールス・コンセンサスは