心理学用語

選択盲

心理学における「選択盲」とは?

選択盲(せんたくもう、choice blindness)とは、心理学における認知バイアスの一種で、自分の選択は常に自由でありかつ合理的であると思い込む心理現象を指します。日本語では「選択盲目性」とも呼ばれます。

2005年に、アメリカの行動経済学者であるダン・アリエリーとアイリス・フリードマンによって提唱されました。アリエリーとフリードマンは、実験参加者にジャムの試食をさせ、24種類のジャムの中から好きなジャムを1つ選ぶように指示しました。実験後、実験参加者に、どのジャムを選んだのか記憶しているかを尋ねました。すると、実験参加者の多くは、実際に選んだジャムとは異なるジャムを選んだと記憶していました。

選択盲の原因は、完全には解明されていませんが、以下のような説が考えられています。

認知的負荷:人は、一度に処理できる情報量は限られており、24種類のジャムの中から1つを選ぶという選択は、認知的な負荷が大きいです。そのため、実験参加者は、選択に集中するあまり、実際に選んだジャムを記憶する余裕がなかった可能性があります

選択の正当化:人は、自分の選択を正当化しようとする傾向があります。そのため、実験参加者は、実際に選んだジャムよりも魅力的なジャムを選んだと記憶することで、自分の選択を正当化しようとした可能性があります

記憶の誤り:人間の記憶は完全なものではなく、時間の経過とともに歪められていくことがあります。そのため、実験参加者は、実際に選んだジャムを忘れてしまい、別のジャムを選んだと誤解してしまった可能性があります

選択盲は、消費行動や投資行動など、様々な場面で生じます。例えば、以下のような例が挙げられます。

スーパーで買い物をする時、本来は購入する予定ではなかった商品を購入してしまう

オンラインで商品を購入する時、当初は購入する予定ではなかったオプションを購入してしまう

株式に投資する時、十分な調査を行わずに投資してしまう

選択盲は、人間の意思決定の不思議さを示す現象です。選択盲についてもっと知りたい方は、以下の参考URLを参照してみてください。

参考URL

選択盲の仕組みとは? 実験で浮かび上がってくる人間の曖昧さ | AKARI https://akari-media.com/2019/03/02/member-595/

その他

選択盲は、視覚だけでなく、聴覚や触覚など五感すべてに起こります


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