記憶の多重貯蔵モデル
心理学における「記憶の多重貯蔵モデル」とは?
記憶の多重貯蔵モデル(英: Multi-Store Model of Memory)は、1968年にリチャード・アトキンソンとリチャード・シフリンによって提唱された、人間の記憶の仕組みを説明する心理学モデルです。このモデルによると、記憶は感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3種類の貯蔵庫(レジスター)に分けられます。
1. 感覚記憶
感覚記憶は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などの感覚情報を一時的に保持する非常に短い記憶です。感覚記憶の保持時間は、約0.25〜0.5秒と言われ、注意が向けられないとすぐに忘れてしまいます。
2. 短期記憶
短期記憶は、意識的に処理できる記憶です。短期記憶の保持時間は、約20〜30秒と言われ、リハーサルと呼ばれる反復によって保持時間を延長することができます。短期記憶の容量は、約7±2個の項目と言われ、それ以上の項目を記憶しようとすると、古い項目が忘れてしまいます。
3. 長期記憶
長期記憶は、意識的に処理できない記憶です。長期記憶の保持時間は、無限大と言われ、一度記憶すると忘れにくいです。長期記憶には、エピソード記憶(体験に関する記憶)、意味記憶(知識に関する記憶)、手続き記憶(技能に関する記憶)などの種類があります。
記憶の多重貯蔵モデルは、記憶の仕組みを理解する上で重要な役割を担っています。しかし、このモデルは、近年の研究によって修正されています。例えば、短期記憶と長期記憶の間には明確な境界はなく、連続したスペクトルを形成していると考えられています。
記憶の多重貯蔵モデルについてもっと知りたい方は、以下の参考URLを参照してみてください。
参考URL
記憶のしくみとは? 心理学で学ぶ記憶の3種類と5つの過程: https://maruhi-lab.com/chikakuninchi/?page_id=927
【認知心理学】短期記憶とは? 心理テストでチェック!:
記憶の多重貯蔵モデルは、人間の記憶の仕組みを理解する上で重要な概念です。記憶の多重貯蔵モデルを理解することで、自分の記憶の仕組みを理解し、より効果的に記憶を定着させることができます。