心理学用語

経路依存性(けいろいぞんせい)とは、経済学や社会科学において、過去の決定や経験が、将来の選択肢を制限する現象を指す。

例えば、ある国が特定の産業に投資を行った場合、その産業が成長し、他の産業に比べて競争力が高くなる。この場合、その国は、将来においても特定の産業に依存する傾向が強くなる。

経路依存性は、経済成長や技術革新、社会制度など、様々な分野で観察される現象である。例えば、経済成長においては、初期の投資がその後の成長を促進する効果がある。これは、初期の投資によってインフラや教育などの基盤が整備され、その後の投資がより効率的に行われるようになるためである。

技術革新においても、経路依存性は重要である。技術革新は、既存の技術に依存することが多いため、一度特定の技術が普及すると、他の技術が普及しにくくなる。例えば、電気通信において、電話が普及すると、インターネットが普及しにくくなる。これは、電話が既に広く普及しており、インターネットに切り替えるコストが高いためである。

社会制度においても、経路依存性は重要な役割を果たす。社会制度は、長い時間にわたって形成され、変化が起こりにくい。そのため、一度特定の社会制度が確立されると、それを変更することが困難になる。例えば、教育制度において、大学進学率が高い国は、今後も大学進学率が高い傾向にある。これは、大学進学率が高い国では、教育への投資が活発であり、その結果、人材が育ち、経済成長が促進されるためである。

経路依存性は、経済成長や技術革新、社会制度など、様々な分野で重要な役割を果たす現象である。しかし、経路依存性には、経済効率を低下させるなどのデメリットもある。そのため、経路依存性による弊害を避けるために、適切な政策を講じることが重要である。

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