図と地
心理学における「図と地」とは?
図と地(ずとじ)は、ゲシュタルト心理学における重要な概念です。図と地は、視覚野に映った刺激を知覚する際、全体から分離して認識される部分を「図」、背景として認識される部分を「地」と呼びます。
図と地の例としては、以下のようなものがあります。
白黒のチェス盤:白のマスが図、黒のマスが地
ルビンキューブ:白い三角形が図、黒い背景が地
ネッカーキューブ:白い立方体が図、黒い背景が地
図と地の分離には、以下のような要因が関与していると考えられています。
類似性:類似した要素はグループとして認識されやすいという性質です。図と地の分離においては、図を構成する要素が相互に類似しているほど、図と地が明確に分離されやすくなります。
近接性:近くにある要素はグループとして認識されやすいという性質です。図と地の分離においては、図を構成する要素が相互に近くにあるほど、図と地が明確に分離されやすくなります。
閉包性:閉じた曲線で囲まれた領域は全体として認識されやすいという性質です。図と地の分離においては、図が閉じた曲線で囲まれているほど、図と地が明確に分離されやすくなります。
対比:明暗や色などの対比が強いほど、図と地が明確に分離されやすくなります。
図と地は、人間の知覚の基本的な仕組みを理解する上で重要な概念です。図と地について理解することで、人間がどのように世界を見ているのかをより深く理解することが可能になります。
参考URL
図と地(ズトジとは? 意味や使い方: https://kotobank.jp/
4: かたちの知覚 | 知覚・認知心理学: https://maruhi-lab.com/chikakuninchi/?page_id=23
図と地の解釈学 - ―意識下に沈む無名存在の探求: https://opac.agulin.aoyama.ac.jp/iwjs0011opc/catdbl.do?pkey=BB00051958&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
その他
図と地は、視覚だけでなく、聴覚や触覚など五感すべてに起こります。また、図と地は、個人差があることもわかっています。同じ刺激を見ても、人によって見え方が異なることがあります。
図と地は、人間の知覚の不思議さを示す現象です。図と地についてもっと知りたい方は、上記の参考URLを参照してみてください。