変化盲
心理学における「変化盲」とは?
変化盲(change blindness)とは、視覚的に提示された2枚の画像の間に変化が起こっても、その変化に気づかない心理現象です。日本語では「変化検出困難性」とも呼ばれます。
1990年代にアメリカの認知心理学者であるリチャード・シモンズとスティーブン・レヴィンによって発見されました。シモンズとレヴィンは、実験参加者に2枚の画像を順番に提示し、画像の間に1枚のカードを挿入しました。カードが消えた後、参加者に2枚の画像の違いを尋ねたところ、参加者の多くは変化に気づいていないことがわかりました。
変化盲の原因は、完全には解明されていませんが、以下のような説が考えられています。
視覚的な注意の制限:人の視覚的な注意は限られており、一度に全ての情報を処理することはできないため、変化に気づけない
記憶の更新:脳は、常に新しい情報を処理し、記憶を更新しているため、古い情報は忘れられやすく、変化に気づけない
変化の意味:変化が重要でないと判断された場合、脳はその変化を処理しない可能性がある
変化盲は、日常生活の中で頻繁に起こっています。例えば、以下のような例が挙げられます。
道を歩いている時、知らない人が通り過ぎた後、その人が着ていた服を思い出せない
テレビを見ている時、CMの間に画面が切り替わったことに気づかない
本を読んでいる時、誤字脱字に気づかない
変化盲は、運転や医療など様々な場面で問題となる可能性があります。変化に気づけないことで、事故や医療ミスに繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
参考URL
変化盲とは? 心理学における意味と例をわかりやすく解説!: http://daily.zhihu.com/story/9692901
図と地(ズトチとは? 意味や使い方: https://kotobank.jp/word/%E5%9B%B3%E3%81%A8%E5%9C%B0-542555